第2集

  1. ひとの別れ話なんて聞くもんじゃないな。
  2. 電話口の前で散々泣かれた。
  3. こんな話、ってそのための話し相手でしょ。
  4. 心の底から話し合ったことある?
  5. それ、はたからすると恋人だよね。
  6. 今のは冗談。
  7. あの人の前だと、緊張の糸が切れるっていうか。
  8. それって臆病って気がする。
  9. たぶん、それは本気で好きになったことがないんだよ。
  10. なんか話したいことあったんじゃないの。
  11. なんでもないって、そんなことないでしょ。
  12. 意外とでかい部屋なんだね。
  13. パスタでもいい?
  14. あたしエビ大好きなんだ。
  15. そんなに飲んじゃって大丈夫?
  16. なんでそんな無茶すんの。
  17. あたし、惚れっぽいから。
  18. もう無いんじゃない、ぽちゃぽちゃしてるもん。
  19. もう寝ましょ。
  20. いまから出歩いてもいい?
  21. 麦茶のむ?
  22. 気にしなくていいよ。
  23. いやじゃないよ。
  24. 何時に出てくの?
  25. みんな勝手なもんよ。
  26. なんか馬鹿らしくなっちゃった。
  27. 私が慰めるなんて、柄にもないでしょ。
  28. ひとに慰められることなんて、めったにないけどね。
  29. 歳はひと回りくらい離れてたかな。
  30. 愛の喪失に、歳なんて関係ないよ。
  31. 恋とか愛とかって面倒じゃない?
  32. 感情に役に立つとか立たないとかあるの?
  33. 今日はね、いちにちじゅう破れ去った恋について考えてたよ。
  34. その失恋が薬となるか毒となるか。
  35. そんなこと未練がましく繰り返してさ。
  36. 自覚はしていても、不誠実な人間だと言われると応える。
  37. 遊び人と言われても悪い気はしない。
  38. 恋の到達点ってなんだと思う?
  39. ひとりになるのもいやで、とりあえず現状維持。
  40. 私はそれを恋だなんて思ってないけどね。
  41. このサハラというのが本名にしろ、砂漠にしろ、たいして興味はない。
  42. 私はいまだに好きな人の本名を知らない。
  43. 本名なんて、生きていくための記号に過ぎないよ。
  44. 敷かれた道を歩いたっていい。
  45. 相手のこと思い出しちゃって、次の日の同じ時間も出かけてた。
  46. 翌日、翌週、翌月、欲ばかりが増えてくよ。
  47. 返事かいてたらさ、その人がログインしてきたの。
  48. 小説を読みふけるのも、書く訓練のひとつだよ。
  49. まず自分から声かけてみれば。
  50. 覚えてないなんて、都合のいい言葉だね。
  51. まったく衰えもしない姿に、鳥肌を覚えてしまった。
  52. 同じのがすみっこでもぞもぞしてたからさ、ぞっとしちゃったよ。
  53. 相づちを打ちながら、ぽつぽつと話していた。
  54. 隔週にいっぺんくらい飲んでたかな。
  55. 誰だって付き合った当初は新鮮でしょ。
  56. 当時としちゃ画期的な発明だったね。
  57. あの頃はよかった、って言うほど生きてないでしょ。
  58. あの頃の初々しさはどこにいっちまったんだよ。
  59. 数か月もたつと、興味深さは薄れていった。
  60. 彼との会話は心地よかった。
  61. 平穏な日々って、仕事も家賃もないことかい?
  62. 契約から半年目に差しかかり、別れを意識し始めました。
  63. 相手から会わないかって言われた。
  64. 待ち合わせのため、容姿の特徴を伝えた。
  65. 説明書がないと半額って、下げ過ぎじゃない?
  66. 友人と好きな人をささやき合った。
  67. お昼、駅まで迎えに行くよ。
  68. 最寄駅で降ろしてくださる?
  69. イメージどおり、三十路くらいの人だったよ。
  70. なんかもう、くたびれちゃったよ。
  71. 遠目に若く見えれば充分じゃないか。
  72. 丸首のシャツばっかり着てるよ。
  73. 迎えに行ったら、あの人よれっとした長ズボン履いてて。
  74. すそは長いけど、だらしない感じはしないね。
  75. 小綺麗な内装は気にいった。
  76. 別世界の居心地がして、落ち着かなかった。
  77. 明るいリビングには、暗い表情が並んでいた。
  78. 私の部屋なら、悠々とお客用のソファーが置いとけるよ。
  79. つるつるとしたアイボリーのソファーに、腰を下ろした。
  80. ポテチとグラスを持ってきて、準備はできた。
  81. 地下の売り場で買ってきた飲みものは、水滴のまだらでいっぱいだった。
  82. 豆乳と缶チューハイ、好きでしょ。
  83. 縦長の箱ってこれですか?
  84. 画面から離れて楽しんでね。
  85. ここじゃ馴染みのない客だね。
  86. 紙パックの飲みものがいいな。
  87. 晴れてるんだから外で干しなよ。
  88. ぜんぜん乾いてないね。
  89. 洗剤かえた?
  90. リサイクルにだってエネルギーを消費するんだよ。
  91. こいつ、のど渇いてんのか、ごくごく飲んでるね。
  92. よっぽどおなか空いてたんだね。
  93. ぬれた手で握手しちった。
  94. せめてさっと拭いてから渡しとくれよ。
  95. こっそり隠しても、自分で見つけられないんじゃ意味ないじゃん。
  96. 見苦しい言い訳はよせよ。
  97. 上司にこう、すっと差し出しとけばいんだよ。
  98. 旦那が帰ってきたら、すかさず出すつもり。
  99. では、手のひらを見せてください。
  100. 親に見つからないよう、ひたひた歩いてた。
  101. 嫁さんにも叱られました。
  102. それはね、枕元に立たれてもおかしくないですよ。
  103. 猫がささっとまんじゅうを取ってったんだよ。
  104. あれ近所の人の車ですよ。
  105. あいさつは大事だよ。
  106. 母親が小走りでやってきて、財布なくしたって言うんですよ。
  107. 銀行員は印鑑なんて預かりません。あ、銀行印のことですか。
  108. やってることがストーカーみたいになってきた。
  109. きのうも熟睡できなかった。
  110. 忍び寄って、なにをすればいいの?
  111. 近寄りがたいというかね、住む世界がちがうんだよ。
  112. 一気に詰め寄ってお願いすればいいよ。
  113. そんなに欲しいんなら、息を殺して待ってればいい。
  114. 焼けたとこ、すんごいじりじりする。
  115. 知り合いから電話、いまから来るって。
  116. あんたからならった慣習だよ。
  117. ハグして、いつもそうするんだ。
  118. トマトかなんかの赤いソースがかかってるよ。
  119. でっかいでっかい、ピンクの肉厚なエビ。
  120. 肉厚なやつ食べたい。
  121. これ、どう使うの?
  122. 適当にやって。
  123. そうそう、腰のところに挟むの。
  124. いまの、真顔で言ってみて。
  125. よほど変なことでも言ったんじゃない。
  126. あの人、くすくす笑ってたよ。
  127. 猫って虚空みつめてるよね。
  128. 元カレの名前も思い出せないもん。
  129. 私の好きなもの、当ててみて。
  130. さっきから何度も座り直して、どうしたの?
  131. そうやって指を組み直しても、話は進まないよ。
  132. 記憶をたどっても無駄っぽいね。
  133. 言いたくないなら別にいいよ。
  134. ここまでくると、続きをつむぐのも大変でね。
  135. 最初っから、そのつもりだったんでしょ。
  136. ホストに会ってたんです。
  137. 私は昔からこんな態度だったよ。
  138. 偏見のない人なんていないよ。
  139. これぜんぶ、請求書。
  140. 奥の引き戸、気になってたんだよね。
  141. そういえば、子供の頃は押しいれで寝てたな。
  142. 障子に穴あけて怒られたっけな、なつかしい。
  143. ごみくず片づけて。
  144. シーツは綿じゃないと。
  145. 新しい枕と掛け布団があんだ。
  146. 洗いたてのほうが気持ちいいでしょ?
  147. 私の曲をカバーするなんて。
  148. 買ったばかりのカバーなんだぞ。
  149. 真っ黒な卵ってすごいね。
  150. おみやげの温泉卵だよ。
  151. あまった折り紙でなんかできないかな。
  152. それがサテンのドレス?
  153. お米、つやっつやだね。
  154. できたてほやほやだよ。
  155. 新しいパソコンのおかげで、さくさく進んでるよ。
  156. かためのパイ生地でどうだろ。
  157. 人ひとり立てれば充分だよ。
  158. 今日だけ体を動かしまくってもね。
  159. タイルはぴかぴか。
  160. ふだん下着で寝てっから、違和感あるな。
  161. お言葉に甘えるね。
  162. カラダがふれる。
  163. 誠実であろうとはしてるよ。
  164. この危機的状況、分かっていないのかもしれない。
  165. 目、さめた?
  166. 顔に紫外線が当たってる。
  167. スクランブルエッグは、ケチャップがまぶしてあるもんだと思ってた。
  168. 他人のペースなんて構わないよ。
  169. 朝は、ベーコンエッグでご飯かき込んでた。
  170. トーストにたっぷりバターをつけて、かじる。
  171. バターがしみてふやける、あの感触が好き。
  172. やわらかくておいしいね。
  173. パンくず、こぼさないでね。
  174. きのうの、ちょっと投げやりだったね。
  175. まだ寝ぼけてるの?
  176. きのうの夜、覚えてる?
  177. なに考えてたっけ。
  178. 覚えが悪いね。
  179. 時計の針とれちゃった。
  180. 直角にかいてみて。
  181. 夢をえがくのは勝手だけどさ。
  182. 私に興味しめさないやつを、どうして好きになるってのさ。
  183. 望みのない誰かに惚れるなんて、ばかばかしいよ。
  184. あれはあれで楽しかったよ。
  185. それで良し。
  186. 深夜にドライブってのも悪くないね。
  187. ゲームのプレイ動画みてた。
  188. アプリから通知きてなかった?
  189. お礼やら何やら言ってたよ。
  190. ひと言ふた言あるでしょ、なんか。
  191. 通話するの、何日ぶりだろ。
  192. ほら、うっすら笑ってる。
  193. べつに、軽く話しただけ。
  194. 夜明け前にお開きにしたよ。
  195. 私の役目も終わりかな。
  196. やりがいがひとつ無くなったって感じ。
  197. 会話の回数が減ってくのは、やっぱさみしいよ。
  198. 自然消滅することは目に見えてるじゃん。
  199. 誘われれば、そりゃうれしいけどさ。
  200. なにも感じないってなら、それまでなんじゃない。